※本巻を含む、「アルスラーン戦記」全般にわたるネタバレあり。
※マンガ版1巻の感想はこちら。
※アニメ版第1話の感想はこちら。
※小説版第1巻の感想はこちら。
小説版第2巻の感想はこちら。
小説版第3巻の感想はこちら。
小説版第4巻の感想はこちら。
小説版第5巻の感想はこちら。
小説班第6巻の感想はこちら。
・最近、荒川弘さんがマンガ版を描いている(感想は後日)が、これは原作。
・曰く「中世ペルシアによく似た異世界の英雄物語」。
・1986年に第一巻発行。長年にわたる人気シリーズ。本巻は全16巻のうち14巻目となる最新刊。
・本巻は前巻の続き「シンドゥラvsチュルクvs蛇王」から始まり、「チュルク政変」「ミスル争乱完結」「蛇王vsパルス」からなる。
・読後感、最悪。13巻もそうだったが、二度と読み返したくない。
・理由は「名勝負無し」「主要キャラが次々と犬死に」「アルスラーン一党が防戦一方で高揚感がない」から。
・蛇王と魔法なしで書き直してほしい。
・残り二巻、唯一の楽しみは「完結すること」だけ。ひたすら気が重い(´-ω-`)
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目次
●アルスラーン戦記の魅力
・本シリーズの魅力は以下の通り。
・弱々しい王子様が、解放王アルスラーンへと成長する過程。王道ストーリー。
特に第一部、異教徒に蹂躙された祖国を奪還するストーリーは、心躍る。
・アルスラーンと共に死線を越えた優秀な部下との友情潭。
軽口を言い合う様が読んでいて楽しい。
・「宮廷画家 兼 軍師」であるナルサス(アニメ版声優:塩沢兼人)の神算鬼謀。
「100ほど策を立て、1つか2つ成功すればよいほうだ」などの名台詞を、
軍師大好きな私は常に教訓としている。
・ペルシャ、モンゴル、インド、エジプト、ローマ?・・など、異文化同士の激突。
騎馬戦、水上戦、攻城戦あり。
戦象部隊、ラクダ部隊、山岳部隊、重層歩兵らとのドリームマッチあり。
・初期カバー絵が、ファイナルファンタジーシリーズで有名な、天野喜孝。
正直私は、11巻からのカッパノベルスより、昔の方が好き。
今でも私の中でのイメージは、
アルスラーンはFFⅡのフリオニール似の姿であり、
最強の騎士ダリューンはFFの暗黒騎士似の姿である。
・敵が魅力的。有能、無能、強敵、へぼへぼ・・、すべてが愛おしい。
・個人的には、9巻「旌旗流転」までが大好き。
・特に7巻までの第一部は、完成度が高いです(蛇王一派の魔法を除けば)。
第一部までのマンガ化なら大歓迎、第二部は9巻まででお願いしますね、荒川弘さん。
・ただ、このシリーズの目玉の一つ「魔法を使う蛇王ザッハークと化け物一党」は、正直いらない。
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●アルスラーン戦記の問題点
・強すぎた主人公vsチートな蛇王一派
そんな楽しいアルスラーン戦記であるが、10巻以降、雲行きが怪しくなる。
アルスラーン一党の治世が盤石となり、英雄豪傑が集い、かつてのライバルが弱体化。
代わって蛇王一派が台頭してくる。
が、この蛇王一派、魔法が使えるため、アルスラーン一党とカテゴリが異なる。
空を飛び、魔獣を操り、地震噴火突風雷を発生させるチートっぷり。
同じ条件で戦わないため、凄さがイマイチ伝わらない。
正直、戦ってて白ける。
・死が約束された登場人物達
さらに面白みを削っているのは、ずいぶん前から、作者自身が、このアルスラーン戦記における主要キャラ達の死亡を約束していることである。
「皆殺しの田中芳樹」と呼ばれるほど、他の作品内でも、主要人物を殺しまくる作者。
このアルスラーン戦記、第2部では、予告通り、主要キャラが散っていく。
しかも雑魚相手、病気、天災など、どうでもいいシーンで。まさに犬死に。
極めつけは、ヒロインをどうでもいい場面で退場させてしまった( ;´Д`)
この最新刊でも、主人公は未だにやもめである。
ヒロインの死は、ひょっとしたら最終巻で伏線になるかもしれないが・・。それにしてもあんまりである。
以上、2つの理由で、新しい巻のAmazonレビューほど、熱心なファンの落胆コメントであふれている。
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●14巻のその他の感想
・またも犬死に十六翼将
前置きが長くなったが、14巻のその他の感想。
アルスラーンの主な臣下たちを「解放王アルスラーンの十六翼将」と呼んでいる。
これは中国の光武帝「雲台二十八将」や、日本の「真田十勇士」がモチーフ。
16人目が期待はずれでショボかったが、
ようやく13巻で16人揃い、さあこれから!という所で、13巻ラストで1人犬死に(´;ω;`)
そしてこの14巻、さらに3人犬死に(´;ω;`)
どーでもいい所であっさり死亡。
なにこれ。
大好きなキャラが登場しないことを祈りながら、暗い気持ちで読んでいた。
こんな展開、誰が望んだのか????
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・ヒルメス一党、突然壊滅!
意表をつき、更に落胆させられたのが、アルスラーンの宿敵、ヒルメス一党の突然の壊滅。
元々不幸キャラなヒルメス。
それがまたいい味を出していた。
13巻で順調に再起し、そろそろパルスに復讐を・・という段階な今巻。
新参者相手に、十数ページであっさり壊滅されられた。
2部スタート時は1万人いた部下がついに1人となり、伏線ありありの愛人フィトナはあっさり去っていった(まだ出番ありそうだが)。
アルスラーンのライバルがまた一人弱体化し、さらに話がつまらなくなった。
イルテリシュ?どうでもいい。
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・内向きになったアルスラーン王朝
話に高揚感を無くしているのが、アルスラーン一党が防戦一方なことである。
例えば9巻「旌旗流転」は、アルスラーン自ら外征し、トゥラーン・チュルク・シンドゥラを次々移動する、ダイナミックな展開である。
しかし14巻では、アルスラーンは王都を動かない。
国内各所で魔物に荒らされては死者が増え、事務処理するだけ。
「内向き」「後手後手」「受動的」「内乱対処のみ」であり、「未知への冒険」「スカッとする」「能動的」なシーンはない。
本巻のアルスラーンは、仲間の死と、これからの犠牲に、読者と一緒になって気持ちが落ち込んでいる有様である( ;´Д`)
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●最後に
ここまで来たら、最終巻まで読みます。
ただ、楽しくはないだろうなぁ。。
田中先生、こんな話書いてて楽しい?
誰が得するの、こんなストーリー?
悲惨な話なら、別の本を読めばいいだけですよ?
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