2015/1/23発売。
モーニングで「ジャイアントキリング」と共に好評連載中、「お金」をテーマにした野球マンガ「グラゼニ」17巻(最終巻)の感想です。
※ネタバレ注意!
広告
目次
本はこちら
メジャー編の主要人物が表紙に。
主人公の凡田夏之介に、初登場時と真逆の印象となったコージ・ウエハラ、ついに夏之介とチューしちゃったBL(ボビー・リード)、通訳兼練習相手の後輩持田、そして夏之介の運命を狂わせた大物レジー・クレイボー。
収録内容
今回は大きく分けて「メジャー編」「帰国編(解雇・契約・シリーズまとめ)」の2つ。
ページ数は半々。
過去登場した牧場センセ、ニッシー、箕川、アキラも登場し、最終巻らしいクライマックスへ。
ナッツ編、もう終わったのか、今回は無し。
ナッツのドラフト会議の模様、見たかったなあ。
前巻の概要をざっくりと
グラゼニ(16)
・マイナー契約(年俸800万)からスタート。
・早くメジャー昇格しないと、給料は上がらないわ、解雇される可能性大だわで、必死の夏之介。
・日本とメジャーの違いに戸惑う夏之介。
・ホモっぽいBL(ボビー・リード)から曲がりすぎるカーブを教えられると、状況一変。紅白戦で結果を出した!
・・というとこで17巻へ。
細かい感想はこちらに書きました。
メジャー編
紅白戦後
コージ・ウエハラ、BLらと会話するシーンから。
・「フォーク」と「スプリット」の違いは回転数。
回転数がフォークより多いスプリットは、空気抵抗と重力の影響を受けにくく、スピードが出やすくて打者の手前で落ちる。
・日本と違い、アメリカの球場が左右非対称な設計が多い理由は「立地条件」「「ベースボールの原点は空き地の草野球」であり、ベースボールはイビツな場所でやるもの・・という 説」
・またもBLのカンチョー攻撃で悶絶する夏之介。しかもキス付き。おえっ
・ブルーソックスの監督、モンテ・ベーカーから、オープン戦はA組起用を言い渡される!メジャー昇格への最初のハードルは越えた。
オープン戦
・なんと5試合登板で失点0!
しかも8回夏之介、9回コージ・ウエハラとセットで起用!
・その活躍は、スポーツニュースとして日本の人々にも伝わる!
上がる夏之介の株!
・持田、夏之介の練習時、ミットの綿を全ヌキしていた!(綿を抜くとボールキャッチ時にいい音が出る。これで投手は気持ちよく練習できたり、球の威力を確認できる。)
その代償として、捕球時の球の衝撃をほとんど吸収できない。つまり140キロ以上の硬球を直に捕球する羽目になる。
持田の左手はパンパンに腫れ上がっていた・・。
持田
先輩・・
僕の左手をもっともっと腫れ上がらせてください!
夏之介
お前・・
そ そこまですることがお前の"業務"だってのか・・?
持田
はい!業務です!
こんな「幸せな業務」ないじゃないですか〜〜先輩
・・なんと先輩思いの後輩なんだ(´;ω;`)
持田の献身、コージ・ウエハラとBLの強力により、夏之介のメジャー昇格は秒読みに。
帰国・契約・シリーズまとめ編
突然の解雇!
と思ってたら。
夏之介、突然の解雇!
理由は「レジー・クレイボー復帰により押し出された」「ダーティ桜塚が裏で動いた」から。
まずは、メジャー編で散々噂のあった、超大物「レジー・クレイボー」投手のことから。
・どうやら、BLともう一度、思い出のある同じチームで野球がやりたかった模様。
夏之介を戦力と見込んで協力してきたBLが、解雇の引き金となった皮肉。。
・クレイボーは5人目の先発投手に。
・5人目先発投手候補だったクラック、中継ぎ投手に押し出される。
一昨年やってて実績が有るので計算できるし、信頼も厚い。
・クラックが中継ぎにきたので、同じ中継ぎの中から夏之介が押し出された。
・夏之介の立場は弱かった。
・クラックはマイナー落ちできない契約だったが、夏之介はマイナー契約のまま。
・神宮スパイダースと揉めてメジャー入りした過去から、トレード先が嫌がる。
同じ理由で、日本球団からも敬遠される。しかし、こっちはダーティ桜塚がウルトラCで打開(後述)。
・メジャーに憧れが少ないので、切っても大丈夫そうだった。
・5億円払って獲得したけど、レジー・クレイボーに比べたらたいした額ではなかった。恐るべし金持ち。
そして、夏之介の代理人、ダーティ桜塚の暗躍。
・夏之介の知らない所で、「文京モップス」「ブルーソックス」と、「夏之介 ー マーク・コーン」の選手トレードの密約を結んでいた!
夏之介は帰国しても就職先と年俸に困らず、モップスは優秀な中継ぎ投手を獲得でき、ブルーソックスはモップスのマーク・コーン1塁手を来年確実に獲得でき、ダーティ桜塚は契約金を獲得できる。
Win-Win-Win-Winで全員笑顔。
めでたしめでたし!
・恐るべし男。。
持田曰く「悪(ダーティ)だと思います」「でも・・僕が見習わねばならない・・最高のビジネスマンです!」
私も、ビジネスのためには泥水をすすることも辞さないダーティ桜塚が大好きです。
リアルでは近寄りたくないけど、ね。
でも、その裏事情を、持田や夏之介に教えしまった(夏之介に直接バラしはしなかったが)ストーリーは、納得いかない。今巻で一番、私が納得できない部分。
本来は墓場まで持っていくべきだったのに。
マンガだから?
ダーティ桜塚も人の子だから?
このままグレーのまま、ストーリーが進んだ方が、リアリティあった気がするけどなあ。
これこそが人生
帰国直前。
夏之介はBLに心境を語ります(一部だけ英語で引用します)。
夏之介
でもね・・ボビーさん・・
僕はこれが"人生"ということだと思っているんです
いや・・これこそが"人生"!(This is the "life"!)
"人生"とはままならないものでしょ
夏之介、悟ってるな。
さすが実力世界の「プロ野球株式会社」で、実力がある同僚も先輩も後輩が運に恵まれず消えていった中、何年も飯を食ってきただけはある。
BL
「プロ野球」は契約社会だ・・
実力があってもクビを切られる時もある・・
だが「クビ」になっても・・
選手生活は続いていく・・
そう・・
「ベースボール」は"人生"・・!
実力があってもダメ。
人生って難しいね。。
お金か愛か?
日本に帰国後、モップスの事務所に連れて行かれ、もう少しで契約書にハンを押す所だった夏之介。
その手を止めさせたのは、名古屋ワイルドワンズ。
以前から夏之介の獲得を狙っていた北王子監督。
年俸は、モップスより500万円多い8500万円。
出来高の条件もやや緩い。
名古屋には、スパイダースで同期&親友だったアキラもいる。
夏之介がモップスを選んだとすれば。
幼い頃からの憧れの球団に入れる。
環境と人気は抜群。
婚約を延期中で、恵比寿のキッチン味平で働くことを望むユキさんと一緒にいれる。
ただ、中継ぎ陣は飽和しているため、活躍できる保証は無い。
既に夏之介をモップスに売っていたダーティ桜塚だが・・、モップスと名古屋のどちらにするかは、夏之介に任せることに。
悩みまくった夏之介。
ユキさんの表現を借りると「名古屋(プロ野球選手として正しい道)か、モップス(女)か?」
人生の転換期で、夏之介はどちらを選ぶのか?
将来の安泰を選んだ夏之介
夏之介が選んだのはモップス。
ユキさんを選んだ!
周りの人がどんどん幸せになっていったこと、ユキさんが背中を押してくれたこともあるが。
今のプロ野球選手としての成功より、将来の安泰を優先したため、でした。
夏之介は、1巻からブレませんでした。
「プロ野球株式会社であと何年働けるか?」
「一生分のお金を稼げるか?」
と常に不安に思っており、野球選手としての実力に絶対の自信を持っていなかった。
引退後に貯金が無くなることに、極度の恐怖を抱いていた。
モップスにすれば。
引退後に、料理のうまいユキさんと、"街の定食屋"「めおと食堂」を開くことができ、セカンドキャリアの大きなアドバンテージが得られる。
つまり、引退後は安泰!
だからモップス!
ああ、とっても夏之介らしい!
プロ野球史上に残るスーパースターなら「えー・・」なんですが。
夏之介は小心者なフツーの選手ですからね。
名古屋に行っても、成績次第では北王子監督やアキラがいなくなる可能性もあるし、夏之介自身も活躍できるかさっぱりわからないし。
私生活を充実させたいプロ野球選手がいたっていいじゃないか!
「グラゼニ」ここに堂々と完結!
とっても「グラゼニらしい」最後でよかったです!
そして新シリーズへ!
「グラゼニ」は17巻で終わりました。
巻末、新シリーズ「グラゼニ 東京ドーム編」開始のお知らせが!
グラゼニ~東京ドーム編~(1)
なんと、17巻と同時に発売済み!
私も入手したので。
近日中に、感想を当ブログに書く予定です。
→こちらに書きました。
大好きなマンガなので、続いてよかった!
広告
勝つのが仕事!―プロ野球選手のセカンドキャリア
その他のグラゼニの感想はこちらから
( ・∀・)つ最後にブログ村とSNSのボタンをクリックしていただけると、ちゃさん感激!

にほんブログ村