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[感想][小説]アルスラーン戦記読本 外伝 東方巡歴[田中芳樹]「ダリューンが主人公!ヒロインは絹の国の女騎士、花冠将軍」

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アニメ絶好調放送中の「中世ペルシアによく似た異世界の英雄物語」、田中芳樹「アルスラーン戦記」
「アルスラーン戦記読本」というまとめ本に、田中芳樹が執筆したアルスラーン戦記外伝「東方巡歴」が載っているので、その感想です。
 
※ネタバレ注意!
 
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本はこちら


アルスラーン戦記読本 (角川文庫)

2000年5月に出版。
表紙はFFで有名な天野喜孝が描いた、おそらくタハミーネ王妃
 
Amazonの商品の説明を以下に引用します。

物語の誕生秘話を著者自らが語るロングインタビューをはじめ、作品中の用語、登場人物を網羅した「ワールドガイド」「人名事典」そして、黒衣の騎士ダリューンが活躍する小説「東方巡歴」などを一挙収録。パルスの歴史を知りたいと思い、『アルスラーン戦記』をこよなく愛する人々にささげる一冊。

本ブログ記事の後半で、ダリューンが主人公の外伝の感想を書きます。
 
この総集編というかファンブック、対象は小説1巻から10巻まで。
10巻まで未読の方は、うっかり人名辞典とか見ない方がよいです。好きなキャラが死亡してるかも。。
 
他の主な内容は以下。
あかほりさとると著者との対談
・安井健太郎・三村美衣・和田慎二・小前亮のエッセイ
・各巻の概要が三分でわかる「ストーリーガイド」
神村幸子 作のギャグ漫画。
・地図あり。

ダリューンの人物紹介

改めてダリューンについて。


この読本の「人名辞典」から、第1部時点の情報のみ、著者の表現を一部引用します。

・戦士のなかの戦士(マルダーンフ・マルダーン)の異称をもつ、大陸における最強の戦士。
・とにかくやたらめったら強い。
・長身、広い肩幅、彫りの深い横顔。
 黒い目、黒い髪、日にやけ、若々しくひきしまった容貌。
・冑の房から、甲、軍靴まで黒で統一され、マントの裏地だけが赤い
・性格は剛直そのものだが、思慮は深く、ときに繊細な心づかいを見せる。
・伯父である大将軍ヴァフリーズの求めに応じてアルスラーン個人への忠誠を誓うが、やがてアルスラーンの本質にひかれ、全身全霊でこの少年に尽くすようになる。

 
・第1部、アトロパテネ開戦時、万騎長(マルズバーン)で最年少の27歳。
・漫画やアニメでは、アルスラーンへの忠誠心がネタ方向に増幅され、過保護・君主バカ・ブラコンっぽくなってる(;・∀・)
・真面目な武将だが、親友のナルサスに対しては毒舌
 
・チート揃いのアルスラーン陣営の中で一番強いとされている。
・剣・槍・弓・戟・白兵戦なんでもOK。
 敵兵がいくらいても足止めにすらならない。襲ってきた狼を手刀一撃で脳天を叩き割るほどの化け物っぷり。
・強すぎるから、伯父の仇であるヒルメスなどの、敵の一番強い奴を担当させられる。
 
・小説最新版でも恋人なし、未婚のまま。
 ただ、2巻より、

ギーヴ
ダリューンも、絹の国に使者としておもむいたとき、かの国の美姫と恋をしたという。

 かつて恋をした記載あり。
 今回の外伝はその話。
 
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アルスラーン戦記外伝 東方巡歴

概要

・イラストはこの本で漫画も描いている神村幸子。以下に絵がありますね。

http://matome.naver.jp/odai/2142774490044091001/2142835978507089303

画像 : 『アルスラーン戦記』媒体別キャラデザ比較 天野・神村・中村・丹野・山田・荒川・小曽木 - NAVER まとめ

 
・外伝の時間軸は2つ。
 ・第1部と第2部の間(小説8巻と9巻の間?)、冬の夜。
  アルスラーンとダリューンが登場。
  酒宴の後、月を見て、ふとダリューンが昔話を始めた・・。
 ・アトロパテネ開戦の前年、317年5月絹の国(セリカ)
  絹の国へ赴く使節団の護衛隊隊長としてダリューンが向かった。

花冠将軍

・ダリューンが恋をしたとされる人物。
 はっきりしないのは、この外伝では出会いのシーンまでしか描かれてないから。
 多分著者は続きを書く気がなく、本編でも多分登場しないので。
 今後、作中でこれ以上ダリューンの恋バナが出ることはないと思われます( ;´Д`)

・以下、著者の花冠将軍の描写。

両眼のきらめきが黒真珠さながらだった。
鼻も口も、名工が心をこめて彫りあげたような秀麗さである。

 イラストでは、目がキリッとした美人でした。
 
・強い。剣と弓を使う。一度はダリューンと対峙。
・完璧なパルス語を話し、聡明で判断力あり。
・仕事中は権威的・威圧的・威圧的と厳格な女将軍。しかし仕事から離れると親しげになり、笑みも漏らす
 この落差にダリューンはやられたのかな?
 
正体は、さっきネタバレしちゃいましたが・・本記事の最後に書きます。

絹の国(セリカ)

・「絹=シルク」と考えると、もちろんモデルは中国
アルスラーン戦記地図
 上は自作の下手な地図ですが・・絹の国は、パルスのはるか東方に位置。
大陸公路をシルクロードと考えると納得。
 
・絹の国の時代設定は、作中に「鴉軍(からす部隊)」が登場することから、唐末と思われる。この時代、独眼竜の李克用という人物が鴉軍を率いていました(日本の戦国武将、伊達政宗の独眼竜は、この人から)
 ちなみに、李克用と思われる人物が、作中に「銅虎将軍」として登場します。
 
参考)李克用 - Wikipedia

略歴
突厥沙陀部出身。太祖武帝と追号された。李存勗(荘宗)の父で、李嗣源(明宗)の仮父。唐末期に鴉軍と呼ばれる精鋭兵を率いて黄巣の乱鎮定に功績を挙げ、朱全忠と激しい権力争いを繰り広げたが、中途で病死した。独眼龍の異名を持つ猛将であった。

細かい内容

 
・アルスラーンとダリューンの会話シーンからスタート。昔の話をするダリューン。
 
・はぐれた驢馬の一頭を探すうち、砂漠で砂嵐に会い、使節団とはぐれたダリューンと、通訳兼案内役のファルハール人ムルク
 
・絹の国の政情は不安定。
 前の皇帝が太上皇になり、皇太子が新皇帝となったが、太上皇の愛人である藍姫(ランフー)に子供が生まれたことで、後継者争いが勃発。

・ダリューン、絹の国の北と西の国境を区切る、約1万キロの長城にたどり着く。
・そこで数騎に追われる一人の女騎士の姿が。
 女騎士は、なんと馬に後ろ向きにまたがり、追撃してくる敵と正面から相対して弓で射落とす。
・ダリューンは女騎士を助けたが、女騎士は矢のねらいをダリューンに向ける!
弓をかまえた敵には、左へ回り込むのが鉄則。弓は右手て弦を引いて左方向へ矢を放つ構造だから、右側に回り込まれると、右へ向き直す必要があるから。
 ダリューンは左へ回り込むが、女騎士はそうはさせじと右へまわる。
・二人はしばらくグルグル回ったが、ムルクが通訳してくれて疑いは解けた。
 女騎士は、ダリューンの黒い格好が敵のように見えた模様(後述)。
 
・女騎士は、皇帝の娘である星涼(シンリアン)公主が、辺境の巡行中に遊牧民の剽盗の一団に襲われたと語る。
 彼女は護衛で、急を知らせに長城へ向かっていた。なお護衛は全員女性の娘子軍
・パルス国の使節だから揉め事をしたくないダリューンは渋ると、女騎士は、

女騎士
この目を見よというておる。
正義と真実の光が溢れておろうが。お前にはわからぬか
 
ダリューン
・・あのな

女騎士
わからぬとすれば、お前の目は死んだ魚も同様、膜がかかっているにちがいない。
頼むにたりぬ役立たずよ。
いつまでもそこに馬を立てて、右か左かと思い悩んでおればよい

 冗談なのか、本気なのか・・。
 ともかく、ダリューンにボロクソ言って、去っていく。
・言われ放題だったダリューンだが、妙なことに感心し、女性の救いを拒絶するのは武人の道に反するから・・と後を追う。
 戦力にならないムルクは、置いてけぼりになるのが心細いらしく、仕方なく付いて行った。
 
・戦場では、襲撃者は百騎ほど。星涼公主の護衛は生きてるのは五十騎ほど。
・護衛はしっかり陣形を作り、馬車の星涼公主を守る。
・女騎士は「殺!(シャア!)」と叫んで突撃。ダリューンも右手に長剣、左手に盾を構えて突撃。
・ダリューンが襲撃者の指揮官を捉えて戦闘終わり。
 
・お顔を拝したい、というダリューンの問いに「論外である」と女騎士。
 絹の国の皇族の女性は、夫と父子兄弟以外の男に素顔を見せることはない、とのこと。
 しかし星涼公主からお褒めのお言葉をいただいた。

・ダリューンは、中国製の武器、を発見。
 先端が三又に分かれ、槍より攻防に優れた武器。
 絹の国で習いたいと言うダリューンに、女騎士は笑顔で師匠を紹介すると約束。
 共通の趣味があってよかったね。
・女騎士、ここでようやく花冠将軍と名乗る。これは娘子軍の隊長の称号であり、本名ではない。
 まだ名前教えてもらえるほど親密ではない。
・花冠将軍にまぶしさを感じたダリューン、画家のナルサスの話題を出してごまかす。
 
・移動中、二人はいろいろと会話。
 花冠将軍は、皇族間の醜い政治争いに冷ややかな目。
 
・突如、黒い甲冑、黒い馬、黒い槍、黒い布の面をかぶっている千騎ほどの兵士たちが現れた。
 これが鴉軍(からす部隊)。ダリューンの全身黒と似てるといえば似てる。
・近づいた鴉軍を、花冠将軍は叱咤、高圧的な態度をとる。弱みを見せてはいけない相手の模様。
 
・鴉軍を率いる銅虎将軍が登場。
 年齢はダリューンより十歳ほど上か。
 「パルス軍こそ最強」というダリューンの考えを揺らがせるほどの威圧。
 「この男は、とほうもなく強い。」「いまこの男と戦えば、かならず負ける」とダリューンに思わせた。
・鴉軍は皇室に忠誠を誓う、と銅虎将軍。
 最後に「公主殿下も、ご酔狂はほどほどに・・」と語って去る。
 
・ダリューン一行は、絹の国の首都、西都永安府に到着。水の都、すでに外輪船あり。
・ここでパルスの使節団団長のマーカーン卿と再会できたダリューンとムルク。
 副隊長のバーヌ卿がいたので問題なかった。
 
・船が港に係留されると同時に近衛兵が到着。
 「公主の御前だからひかえよ!」とダリューンに命令。
 むりやり近衛兵に跪かせられるダリューン。
・そこに、船室から顔を紗で隠した女性が登場。出てきた人は、花冠将軍の前に跪き…。身代わりでした。

花冠将軍
すまぬ、わたくしが星涼公主だ

 ダリューンは翡翠の宮殿で小鳥と会話する東方の姫君を想像していたので、立ちつくすしかない。

花冠将軍(星涼公主)
「銅虎将軍が酔狂と申したが、たしかに、わたくしは傍迷惑な女でな。
深窓でおとなしく琴でも弾いていればよいものを、つい長城すらこえて地の涯まで走りまわってみたくなる」
星涼公主の笑顔を、ただダリューンは見つめていた。
「よく絹の国に来た」
好意に満ちた声がダリューンの胸に浸みた。
「この広大な国には、人の世でもっとも美しいものと、もっとも醜いものと、両方がある。
その一部なりとたしかめて、帰国して後、語りぐさにするとよい」

 
ここで話は終わり。えー。
・アルスラーンの「ずっと絹の国にとどまりたかったのでは?」の問いかけに。

ダリューン
とんでもございません。
もし絹の国にとどまっておりましたら、殿下、いえ、陛下の御為に働くこともできず、ナルサスに再会することもできず、ギーヴやファランギースに会うこともできませんでした。
私の現在も未来も、パルスにのみございます。

 ダリューンの真実の言葉。
 ただ、それが真実のすべてではないことを気づいたアルスラーンであった・・。
 
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ダリューンのためにあるゲーム。

アルスラーン戦記×無双 (「ダリューン初回特典コスチューム&武器」ダウンロードシリアル 同梱)

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