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[感想][小説]アルスラーン戦記3 落日悲歌 [田中芳樹] 「忠臣ジャスワント、ギーヴ以上の軽薄なラジェンドラ王子登場!ヒルメス独立!自由人、ほら吹きクバード」

更新日:

2015年4月から、


アニメ絶好調放送中の「中世ペルシアによく似た異世界の英雄物語」、田中芳樹「アルスラーン戦記」
小説版第3巻「落日悲歌」の感想とまとめです。
 
アニメだと7月からに該当すると思われます。
 
※がっつりネタバレしてます。注意!

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本はこちら

私が読んだのはこちらの1987/9発売の角川文庫。

表紙は天野喜孝。鎧が黒だからこれはダリューン

カッパ・ノベルス版、光文社文庫版、Kindle版はこちら。
  

前巻のあらすじ


・アルスラーン陣営
 アルフリード・マルズバーン(万騎長)のキシュワードバフマンが加入。
 エラムがアルスラーンと打ち解け、ギーヴが心からアルスラーンに仕える気になったことで、戦力は充実の一途。
 唯一影を落とすのは

バフマン
その方を殺せば、パルス王家の正統の血は絶えてしまうぞ!殺してはならぬ!

 パルス王家正統の血と言われたヒルメス(銀仮面)と、アルスラーンの正体・・。

・ルシタニア陣営は弱体化。
 首都エクバターナを抑えているものの、王弟ギスカールと大司教ボダンの権力争い、イノケンティウス七世タハミーネ王妃にご執心、魔導師による幹部暗殺など、問題続出。
 
・ヒルメス(銀仮面)陣営はザンデ加入。まだまだこれから。
 
・魔導師陣営は弟子7人全員登場も、さっそくアルザングナルサスにやられる( ;´Д`)
 
その他の感想はこちらに書きました。
 
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地図

自作の地図ですが。。
アルスラーン地図2
アルスラーンは南東のシンドゥラ国へ。
ヒルメスは西のザーブル城へ。

3巻総評

まずは各陣営ごとにまとめます。
人物の描写は、アルスラーン戦記読本のキャラクターガイドより一部抜粋。

アルスラーン陣営 心の友を得る?

シンドゥラ遠征の後、ルシタニアへ反撃態勢に入る

大部分を東国シンドゥラで過ごします。
シンドゥラはインドのイメージ。
後方の憂いがなくなったアルスラーンは、3巻最後、ついにルシタニア軍への反撃態勢に入ります。
 
そしてこの巻の最後、「解放王」アルスラーンという呼称が初登場。
1000年以上前の「聖賢王」ジャムシード
300年前の「英雄王」カイ・ホスローにつづく、
三人目のパルス歴史上偉大な王様となれるのか?

戦力的には、ジャスワントラジェンドラ王子が登場する一方で、惜しい犠牲者も。。

忠臣ジャスワント


7/12にイラスト公開。


・シンドゥラ人の武将。
・褐色の肌と瑠璃色の瞳。黒豹のようにしなやかな精悍さ。
・シンドゥラ宰相のマヘーンドラ一族に連なり、第一王子のラジェンドラ王子派として登場。
・父親が不明だが、実は・・?
 その点でアルスラーンがシンパシーを抱き、何度も説得を続けるが・・。
 
剣が得意。
 ダリューン「かなり剣を使える」と警戒し、ギーヴと一騎打ちしても生き延びるほどの強さ!
・一軍を率いて忙しくなったダリューンに代わり、アルスラーンの護衛役を引き受けることに。生真面目に王子を守る、護衛として最適の忠臣!
・性格はきわめて真面目。真面目すぎることで逆に笑いを誘う場面も。
・南国育ちのため、寒さに弱いのが欠点。
 
いろんなはみ出し者が集まるアルスラーン陣営人々ですが、このシンドゥラ人のジャスワントを機に、さらにバラエティに富んで国際色豊かになっていきます。
これがアルスラーン戦記の魅力の一つですね。

ギーヴ以上の軽薄者 ラジェンドラ王子

2015/7/5、画像が公開されました!


24歳、♂。
シンドゥラ国の第二王子。
 腹違いの兄ガーデーヴィ第一王子の方が母親の身分が高いため、王位継承順位が低い。
 しかし全力で次の王様を狙って争っている。
 今回、アルスラーンはこのシンドゥラの後継争いに巻き込まれます。
 
・美男子。黒すぎるほど黒い瞳、濃い小麦色の肌と、鑿(のみ)で削ったように深く彫りこまれた目鼻だち。
・笑うと蕩けるような愛嬌がある。
ずうずうしく軽薄でかなりの利己主義者だが、あまり憎まれることがない。
 遠慮のかけらもない態度に、ラジェンドラを好いているアルスラーン陣営の人は一人もいない。

ファランギース
ギーヴは自分自身を鏡に映して不愉快がっているのじゃな
ギーヴ
いくら何でも、おれはあいつよりはまともだと思うがなあ

 あのギーヴをして、俺の方がマシと言わしめる( ;´Д`)
 
・気前がよく、下級兵士や民衆の評価を得るのがうまい。
・しかし政争になると話は別。約束を一つも守らない、信頼できない、野心ありありの厄介な相手に。
 「愛想笑いをしながら相手の喉をかき切る」との対立陣営の評価。
自称アルスラーンの「友人」「心の兄弟」
 
・剣も馬術も巧みだが、アルスラーン陣営のチートキャラ達には赤子同然
 頭が切れ、陰謀・政略なんでもござれだが、ナルサスの前には全てお見通しで、悉く逆手に取られる。
 生まれた時代が悪かった。
 
一国の王族であり、アルスラーンにとってはやや年が近いキャラのため、今後は国と国の関係上、重要なキャラクターとなります。
誰も喜んでませんがね。。

ヒルメス陣営 ついに独立!

ここまでルシタニア軍の元で動いていたヒルメス(銀仮面)は、この巻から一軍を率いて独立行動をとります。
しかもマルズバーンのサームの説得に成功したのは大きい!
ついに野望の実現へ動き出す!
 
その一方、マルズバーンのクバードの説得に失敗し、その上殺し合いになりかけるチョンボ。
アルスラーンが粘り強くジャスワントを説得したのに比べると・・人物的魅力に欠けるのは仕方ない。

サーム 悲運のマルズバーン


・上記の一枚目と二枚目、前髪の一部が白い武将がサーム。
・アトロパテネ開戦時、王都エクバターナの守備を担当。
・マルズバーンの中で、城塞の攻撃と防御にもっとも優れた力量を持つ。
・怜悧で沈着、性格は篤実で、王家への忠誠心があつい。
 
・落城後、重傷を負わせた相手ながら、王族であるとの素性を明かしたヒルメスに忠誠を誓うことに。
・マルズバーンのバフマンと同じく、パルスに忠誠を尽くす気持ちが強いがゆえに、王家とヒルメスとアルスラーンの関係に悩む。
・エクバターナ陥落の責任を未だに感じており、クバードと再会した折に

サーム
ガルシャースフは、勇敢に戦って死んだ。生恥さらしているおれとは、大きなちがいだ

 と自嘲する(´;ω;`)
 あのとき死んでいればよかった・・と悩む点で、バフマンと似ている(´;ω;`)
 
脳筋のザンデと違い、ヒルメスの良き相談役となります。
優秀な人物なのに、ヒルメスに属すことになった悲運のマルズバーンです・・(´;ω;`)

追記)クバード ワイルドなギーヴ?

4巻で書こうと思いましたが、4巻はたくさん新キャラが出るので、3巻に書くことにしました。

http://www.arslan.jp/characters/index.html

CHARACTERS -アニメ「アルスラーン戦記」公式サイト-

第1話のアトロパテネ会戦から登場しているので、アニメ公式サイトCHARACTERSにイラストが載っています。


・バフマンの次に年長(壮年だが)のマルズバーン。


・筋骨たくましい長身、黒っぽい長めの髪、精悍な彫りの深い顔立ち。左目は一文字につぶれている。
 
・とにかく強い。
 ダリューンやキシュワードが痩身のスピード・バランス型なら、クバードはパワー型。
 大剣を使う。弓矢は本人的にはやや苦手(水準以上だが)。
指揮官として超一流。
 武力・知力・勇気を兼ね備え、味方を鼓舞し、野戦・防衛戦でも優れた判断力を発揮。
 
・ここまでなら完璧超人だが・・最大の問題は性格。
・気質は豪快で気まぐれ、ときに粗野。つまり酔ったおっさん。
・酒と女が大好き。
 当然のようにファランギースに言い寄る。当然のように無視するファランギース。でも全然めげない。
 宴席では、ファランギースの両隣にギーヴとクバードが座ることが多い。
・ナルサスやギーヴと同じく、宮廷生活とか束縛されることを嫌う。
 
・逸話数知れず。
 ・人生における信条は「成功すればおれの功績。失敗すれば運命の罪。」
 ・何かにつけて大きなほらを吹くくせがあるため「ほら吹きクバード」の異名があるが、それすら自慢にしている。
 ・左目がつぶれている理由は「竜と戦ったから」とかなんとか。。
 ・ある宴席で、お高くとまった貴族の若君から「血と汗と砂塵によごれ、空腹をかかえて戦場をうろつくのは、どんなご気分かな?」と問われたとき、いきなり若君の身体をかかえあげて、麦酒(フカー)の大樽に放り込んで一言

クバード
まあ、たとえてみれば、こんな気分でござる。はやく入浴してさっぱりしたいもので・・

 ・気に食わなければ誰相手でも喧嘩を売る。
  たとえそれが王族であれ、ヒルメスであれ、アンドラゴラス王であれ。
  何度かアンドラゴラス王の逆鱗に触れたが、その都度武功をあげ、マルズバーンの地位を保ってきた。
  
・アトロパテネ会戦時、アンドラゴラス王が逃亡したことに失望し、一人旅をしていた。
 「国を救おう!」とかの信念は無く、自由に生きる。
 成り行きによって、ときにはヒルメスに味方し、ときには村人を護衛し・・。
 
つまり、ギーヴを性格も体格もワイルドにした感じ、ですかね。
ヒルメスとは結局決裂しました。
この有能だが扱いにくい逸材を、アルスラーンは味方にできるのか?

ルシタニア陣営 弱まる一方

2巻以上に状況悪化。
 
対立陣営の大司教ボダン率いる聖堂騎士団とヒルメスを相打ちさせる策は良かったものの、野心家に一軍を与えてしまったボーンヘッド。
 
兄のイノケンティス七世は相変わらずタハミーネ王妃にご執心。
ルシタニア軍を一人で支える王弟ギスカールの中間管理職っぷりが痛ましい。
胃薬いるかい?

魔導師陣営 サンジェ登場した早々・・

残り6人の魔導師の弟子のうち、サンジェが登場。
ペシャワール城で暴れ始めた矢先、腕を失うことに( ;´Д`)

強すぎるインド戦象部隊と戦うには?

シンドゥラ国は、前述の通りインドをイメージした国。
インドの戦争といえば、


パルス国が騎馬隊で有名なら、インドは戦象部隊が有名です。

http://togetter.com/li/137311

芝村裕吏先生への難題コーナー「戦象部隊の強さとは」 - Togetterまとめ

まず。軍用で象を用いるのは、インドが起源と言われています。 時期については今から3000年以上前の話です。

象は5tくらいあって、速度は時速30kmです。 速度はさておき、打撃力では馬とは比べものになりません。

アルスラーン戦記中の表現の一部を引用すると。

ぱおおおん・・と、咆哮を発して突進する五百頭の戦象は、放たれる矢をものともせず、たちまちラジェンドラ軍にせまり、弓煎隊をけちらすと、そのまま突入してきた。
重い長大な鼻をふりおろして、歩兵の頭をたたきつぶし、牙の先に馬をはねあげ、陣地の柵をふきとばす。

悲惨・・。
皮膚は硬くて厚くて武器が通らない、
大きくて重いので突撃されただけで人間は粉微塵、
パワーは圧倒的・・というチート部隊。
 
そんな象と戦うには?
漫画ですが、参考に挙げてみます。
 
中国の春秋戦国時代秦国を描いた「キングダム」28巻で、合従軍五ヶ国のうちの楚国媧燐(かりん)将軍が、戦象部隊を繰り出しました。
秦国で対応したのは、将軍部隊の録嗚未(ろくおみ)干央(かんおう)
全身が甲冑のように分厚い皮で覆われ、刀剣では致命傷を負わせられない象を倒すことは早々に断念。
代わりに、象の上に乗ってる人間を狙いました。
象に直接飛び乗って攻撃したり、投げ槍や弓矢で狙ったり・・。
人間のコントロールを失った象は、効果的に戦いに参加できなくなり、実質無力化できました。
 
さて、アルスラーン戦記では、アルスラーン陣営(ナルサス)はどのように対抗したのか?
ダリューンが剣で真っ二つ・・とはさすがにムリですので。
まずは興奮した象をうまく他の部隊と引き離して孤立させ。
投石機を使う。
投石機10台で毒をぬった長槍30本を一つにまとめ、それを飛ばして象を串刺しにして倒しました。

・・うーん、これで本当に効くのかな?命中するの?
まあ、小説ですからね!
 
他には、ギーヴとファランギースの弓が同時に象の両目を射抜いて倒してますが・・これも神業で常人は真似できない・・。

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3巻 各章の感想

第一章 国境の河

2巻の続き、シンドゥラ国のラジェンドラ王子が五万で攻めてきた所からスタート。
 
・気安く街を歩くラジェンドラ、王族らしい暮らしをするガーデーヴィ。
 
・ナルサスから軍略を教わるアルスラーン。
 ナルサス曰く「冬に行軍するとシンドゥラ自慢の戦象部隊は寒くて動かない」
 冬のこの戦いには、戦象部隊は不参加。
・さらにナルサス「天の時(冬)、地の利(国境を越えて他国に侵入、しかも夜)、人の和(対立するガーデーヴィ王子に知られたら危険)の三つの利を満たしていない」
 
・ナルサスの「ガーデーヴィが後方から攻めてきた」という流言だけで大混乱するラジェンドラ軍。
・ラジェンドラは逃げる時に捨て台詞

ラジェンドラ
今日のところは、ゆるしてやる。つぎに会ったら、生かしてはおかんぞ。

 負けたものが言うセリフではない( ;´Д`)
 
・結局アルフリードに捕まったラジェンドラ。
 捕まってるのに陽気に笑う強心臓、そして尊大な態度。
 しかしナルサスに促されてギーヴがを持ってきたら、落ち着きが完全に無くなった。底が見えた( ;´Д`)
・アルスラーンはラジェンドラと攻守同盟を結ぼうとするも、渋るラジェンドラ。
 パルスナルサスがラジェンドラの部下に「アルスラーンと盟約を結んだ」「国都ウライユールまで進撃を開始した」と触れ回っていることを知ったラジェンドラは観念。パルス国と正式に盟約を結んだ。
 ナルサスの既成事実を作る策略が大当たり。
 
・酒宴が始まり、ファランギースの美貌に惹かれたラジェンドラは隣に座る。
 そこをギーヴがブロック。
 二人でファランギースに酒をつぎ、酔い潰そうとするが・・

ラジェンドラ
うう、何と酒の強い女性だ。ふたりがかりでも酔い潰せぬとは、あんな酒豪、見たこともないわ
 
ダリューン
ふたり?
 
ラジェンドラ
たしか、ギーヴとやらいう楽士が、そばにいたはずだが・・まだ生きているかな
 
ギーヴ
ちくしょう、頭のなかで水牛の群が合掌しながら踊っていやがる。なんでこんな結末になるんだ。おれが一杯やる間に、ファランギースどのには三杯は飲ませたはずなのになあ・・

 その頃のファランギースは、やや頰を上気させただけだった( ;´Д`)
 
・2巻から屈託していたマルズバーンのバフマン
 ファランギースの辛辣なツッコミで、ようやく気持ちが決まった模様。死を覚悟する方向へ。
 
・ナルサス、解放した奴隷は屯田制に使うと構想中。
 
・その頃ヒルメスは一時エクバターナへ帰還。エクバターナのルシタニア陣営の動きが気になるため。アルスラーンの危機はひとまず去った。
 
・ウライユールは夏は耐えがたい暑熱、冬は快適。
 現国王のカリカーラ二世は病で政務がみれない。
 皇太子を決めていないことから、2人の王子が争い始めている。
 
・ラジェンドラがパルス軍と攻めてきたと知ったガーデーヴィ王子は、寒さで外に出たがらない戦象達を鞭で殴って無理やり追い出す。
 
・パルス軍はバフマンを同行、キシュワードをペシャワール城に残留させる。なお鷹のアズライールはアルスラーンに同行。

第二章 河をこえて

・パルス軍、まずはガーデーヴィ王子の騎兵一万五千との勝負。
・シンドゥラのプラダーラタ将軍をダリューンが一騎打ちの末に打ち取って終わり。
 
・パルス暦321年の新年スタート。
・ラジェンドラはパルス軍と二手に分かれて攻める、分進合撃を提案。

ラジェンドラ
我が友にして心の兄弟たるアルスラーンどの…

 全員がパルス軍を囮とするラジェンドラの企みを察知していたが、ナルサスの勧めで受け入れることに。
 だけでなく、ラジェンドラの進路をガーデーヴィ王子に密告するナルサス。鬼畜。
 なお、ラジェンドラ王子もアルスラーンの進路をガーデーヴィ王子に密告してます。なんて連合軍だ。
 こんなことをされたガーデーヴィ王子、迷う。相手が悪い。ご愁傷様。
 
・ラジェンドラ王子がアルスラーン達に案内人としてよこしたのはジャスワント

グジャラート城攻防戦スタート。
 さっそくシンドゥラのプラケーシン将軍が一瞬でダリューンにやられる。
・城に引きこもった兵士に、使者としてギーヴとジャスワントを送り、無血開城を勧める。
 自分の懐が痛まないギーヴは、残るゴーヴィン将軍とターラ将軍に気前よく将来の栄達を約束する。
 そんなギーヴに城内の女性はみとれ、男性はそんな女性をみて腹立たしく思う。効果はばつぐんだ!
 酒と女を楽しんでギーヴは去った。

・ここでジャスワントが背信。パルス軍は夜中に城を通過して国都ウライユールを目指すとこっそりバラす。
 ジャスワントは世襲宰相マヘーンドラの一族に連なるものであり、ガーデーヴィ王子派。
 ラジェンドラ王子の元へスパイとして潜入していた。
 そんなジャスワントの正体を見透かしてアルスラーンに送ったラジェンドラ王子も只者ではないが。

・こっそり城を通り過ぎようとするパルス軍を奇襲しようとするシンドゥラ軍。
 発火筒に火を点けようとしたジャスワントの前に現れたのは、

ギーヴ
そう、シンドゥラの男どもの敵ギーヴ様さ

 ギーヴと互角に渡り合ったジャスワントだが、精神的な余裕の差で気絶させられ、ギーヴに捕まる。
・後方の糧食隊を襲ったシンドゥラ群だが、通り過ぎたはずのアルスラーンやダリューンが当然待ち構えてて返り討ち。
 ゴーウィン将軍はダリューンに、ターラ将軍はファランギースにやられる。
・先頭を指揮していたバフマンも、しっかりを仕事したことを明記しておきます。
・ということで3日でグジャラート城、落城。
 
・戦後、ジャスワントの命を助けるアルスラーン。
 なおアルスラーンは優しい心で解放したのだが、ナルサスは落城の原因となったジャスワントを解放することで相手を混乱させようと企む。人間じゃない。
・なおナルサスは、ジャスワントの正体を完全に見抜いていたわけではなかった。
 ジャスワントが裏切るパターンと裏切らないパターンの両方、
 さらにジャスワントがラジェンドラの刺客の場合、単なる案内人の場合、ガーデーヴィの間者の場合の策も考えており、
 その上ジャスワントが間者の場合、ラジェンドラが正体を知っていた場合と知らなかった場合も全パターン考えていた

ナルサス
右か左か、というやりかたは、ナルサス流ではございません。
右に行けばこうなる、左へ行けばこうなる、それぞれの行く末について考えておくのが私のやりかたです。

 
・そんなジャスワントはガーデーヴィに捕らえられたが、世襲宰相マヘーンドラの嘆願で一命は取り留められた。
・一方ラジェンドラは出陣していたガーデーヴィ軍の後方を遮断。
 パルス軍とラジェンドラ軍に挟まれたガーデーヴィ軍。
 
・エラムがアルスラーンを将来補佐すれば…そうすればナルサスもダリューンもお役御免となるがどうするか…いう話の中で。
 「ダリューンは失われた恋を追って絹の国へ再び赴くのだろうか」
 この話はこちらに書きました。
 
・バフマンはシンドゥラから帰国後、アルスラーンに秘密を全て話すと約束した模様。

アルスラーン
(自分はいったい誰なのだろう?…)
 
ダリューン
殿下はこのダリューンにとって、大事なご主君でいらっしゃいます

 アルスラーンの瞳から涙が…。
 麗しき主従関係。

第三章 落日悲歌

・ガーデーヴィ軍十三万とラジェンドラパルス軍がチャンディガルの野で対戦。
 
・ラジェンドラ王子の乗り物が白馬、ガーデーヴィ王子が白象、どちらも宝石だらけの装飾をみて

ギーヴ
白馬の王子さまと、白象の王子さまの、華麗なる戦いだな

・シンドゥラの伝統、対決前の舌戦はラジェンドラ圧勝。
戦象部隊500機はガーデーヴィ王子の手中。ラジェンドラは劣勢・・になったとき、パルス騎兵到着。
 パルス軍は、立ち塞がっていたガーデーヴィ軍を偽退の計でおびき寄せて叩き、動けなくした後で、こっそりグジャラート城を出て戦場に予期しない方角から登場した模様。
・バフマンの指揮は安心できる。
 
・荒れ狂う戦象部隊。ガーデーヴィ王子は象に薬物混ぜて突撃させた模様・・。
・ここでナルサスは、興奮した象をうまく他の部隊と引き離し、投石機10台で毒をぬった長槍30本一度に発射、壊滅させる。
 
・戟を使うダリューン
 ガーデーヴィ王子の白象に戟を鼻でとられたが、ギーヴとファランギースの弓が白象の両目を射抜いたことで暴走、象は倒れる。
・ガーデーヴィ王子に振りかざした剣を止めたのはジャスワント!間一髪ガーデーヴィを連れて逃亡。
 
・マヘーンドラに冷たく対応する、逃げ帰ったガーデーヴィ。
 命を救ったジャスワントに感謝のことばの一言もなし。
 
・このタイミングで病床のカリカーラ王、意識を取り戻す。戦争ストップ。
・ラジェンドラとガーデーヴィ、国王の前で悪口合戦。
・勝負がつかないので、シンドゥラの伝統的な裁判「神前決闘(アデイカラーニャ)」で決めることに。
 被告人が選んだ人物が武器で決闘、勝った方が正しいとなる。
 中世らしい裁判。
 半径7ガズ(約7メートル)の円の内部で戦う、周囲には火の輪、10匹の飢えたジャッカルを周囲に配備。
 相手を倒すまで終わらない決闘。
 
・ラジェンドラは当然ダリューンに要請。
 ダリューンは「迷惑ですな」「アルスラーンが命じるなら…」と、アルスラーンに頭を下げろと示唆。
 しぶしぶ従ったラジェンドラ。
・ガーデーヴィはバハードゥルを選択。
 ・人間ではなく野獣と言われている。
 ・身長2ガズ(約2メートル)を超え、縦と横の幅でダリューンを上回り、直立した獣人という印象
 ・両手持ちの巨大な戦斧
 ・どんな傷を受けようと死ぬまで戦うとか・・。
 
・決闘開始!
 ダリューンがよろけるほどパワーの差。そしてダリューンの長剣が折れる!兜が吹っ飛ぶ!
・ダリューンは盾をバハードゥルの横っ面に叩きつけたが、ダメージなし。
・戦斧を受けとめた盾も半分になる!
 
・闘技場の周囲に配属されたジャッカル、バハードゥルの足にかみつくが、そのジャッカルを手で引き裂く。なんだこれ。
・ナルサスですら青い顔に。
・なおダリューンは、ジャッカルをチョップで一撃死させる。こっちもなんだこれ。
 
・ダリューンのピンチに「ダリューンが負けたらバハードゥルとラジェンドラの首を城門にかける!」とアルスラーン錯乱。
 生まれて初めて他人を脅迫したアルスラーンはカリカーラ王に諭されて着席。
 嘲笑ったガーデーヴィに「お前もあの王子の半分くらい部下をだいじに思う人間だったら・・」とカリカーラ王は苦い顔。
 
・ダリューン、ここで反撃に。
 マントを炎で燃やし、それを上半身に叩きつけた!
・怒り狂ったバハードゥルを、ダリューンは初めて取り出した短剣で首を切りつけて勝利!
 これにより、ダリューンは猛虎将軍(シヨラ・セーナニー)の称号を得る!
 
・勝負が決まった後、ガーデーヴィは結果を認めず、戦いに!
・そんなガーデーヴィ、投槍でバフマンを貫く・・致命傷(´;ω;`)
・宰相マヘーンドラは、錯乱した娘婿のガーデーヴィ王子の槍に倒れる。
 ジャスワントは、自分の父親のことをマヘーンドラに確認することもできず・・
 あるいはマヘーンドラがジャスワントの父親だったかもしれなかったが・・
・そしてバフマン。

バフマン
よき国王におなりくだされ…
 
アルスラーン
バフマン、教えてくれ。死ぬ前に教えてくれ。私は何者だ?私はいったい誰なのだ

秘密を語ることなく、アルスラーンの呼びかけに応えることもなく、絶命するバフマン・・。

第四章 ふたたび河をこえて

・カリカーラ王、心労で世を去る。。
後を継いだのはラジェンドラ。
 父親の死に泣き崩れるラジェンドラ。
 ナルサス曰く「自分が父の死を悲しんでいる、と、心から思い込んでいる」「自分自身を騙すほどの演技者」という辛辣な見方。
 
・バフマンが率いていた騎兵一万はダリューンが指揮・
 バフマンが秘密を語らなかったことはナルサスの苦い失敗。
 
・迷信深かったオスロエス五世、迷信を信じなかったアンドラゴラス。
 
・アルスラーンはジャスワントを解放
 ジャスワントはラジェンドラに仕える気がしないし、ラジェンドラも誘う気がない。
 アルスラーンはジャスワントをパルスに誘う。「自分が誰の子かわからないから同じだ」と
 ジャスワントはしばらく考える、とのこと・
 
・ガーデーヴィは逃亡していたが、塔の中、天井に籠を吊るして隠れていた。
 妻のサリーマが1日1回、食事を運んでいたが、あるときサトウキビの酒に眠り薬を混ぜ、ラジェンドラに通報。
 サリーマはガーデーヴィが殺したマヘーンドラの娘であり、夫を裏切ったのではなく、父の仇を討った
・捕まったガーデーヴィ、ここにきて笑顔でラジェンドラの王位を認め、部下になる・・と言うが、ラジェンドラは許さなかった。
・ガーデーヴィは、最後の晩餐(酒に酔ったところを処刑するのが王族処刑への作法)の酒壺を砕いて、アルスラーンに投げつける悪あがき。
 アルスラーンは骨つき肉で防ぎ、アズライールがガーデーヴィの右眼を攻撃、最後はラジェンドラに処刑された。
 
・パルス軍、帰国へ。
 お礼にクンタヴァー将軍に三千騎をつけてくれたラジェンドラ。
・しかしこれは、油断したアルスラーンを襲うためとか。
 アルスラーンを捕まえ、パルスの領土を分割、殺さずに今後も利用しようとする腹。
 
・シンドゥラの料理、羊の脳を煮込んだとうがらし入りの辛いカレーを食べてけろりとしてたのはファランギースのみ
 
・国都ウライユールを出て最初の野営で仕掛けたクンタヴァー将軍。
 二万で仕掛けるラジェンドラ。
 しかし突入するも、そこはもぬけの殻。そこへクンタヴァー将軍の首が投げられた・・。
・ファランギースを女性だからと甘く見たラジェンドラ、捕まる。
・相変わらず悪びれないラジェンドラをナルサスが適当に脅して、三年の不可侵条約を結んだ。
 三年にしたのは、永遠の約束をラジェンドラが守らないことは目に見えてるので、小さく区切れば意外と守るから、とのこと。
 
ともかく、これでしばらく東は安定。
 なお、話に出てきたチュルク国は、二部から本格的に出てきます。
 
・最後にジャスワントがアルスラーンの元へ!

ジャスワント
おれはシンドゥラ人です。パルスの王太子殿下におつかえするわけにはいきませぬ。
もし今後、パルスとシンドゥラが戦うようなことがあれば、おれは故国についてパルスと戦います。
 
ですが、おれは三度にわたって、アルスラーン殿下に生命を救っていただきました。その借りを返させていただくまで、殿下のおともをさせていただきます。

 ギーヴは「理屈の多い男だ」と苦笑するが、ファランギースは「理屈のない男よりも、よほどましではないのかな」とグサリ。

・三カ月でペシャワールに戻った一党。
 
・そんな中現れたのは天井に逆さまに腕を出してる魔術師サンジェ。
 ヴァフリーズの密書を手にいれた!
 しかし逃げ遅れて腕を切断され、ギーヴに剣で突かれるも逃亡に成功。ナルサスが用意した偽の密書を手に。

第五章 冬の終り

・今度はルシタニア陣営の話。
 
・大司教ボダンは聖堂騎士団ら三万の兵でザーブル城に立てこもり中。
 ルシタニア本国とエクバターナの連絡を絶ち、いろいろ要求をギスカールらに突きつけた。
・ギスカールはヒルメスにザーブル城攻略法を依頼。
 ヒルメスは腹心となったサームの助言で受け入れることに。
 サーム曰く、ルシタニアの費用で兵を集め、パルスの国土からルシタニア人を減らし、さらにギスカールに恩を売ったり、ザーブル城を根拠地にできるチャンス、とのこと。有能!
 
・そんなサームは、拷問吏を買収して、投獄中のアンドラゴラス王とわずかな面会機会を得る。
 アンドラゴラスに「十七年前にオスロエスを弑虐し、ヒルメスを殺そうとしたか?」を質問。
・アンドラゴラスは、父親ゴダルゼス二世について語り始めた。
 名君だが迷信深かったゴダルゼス二世は、「パルスの王家は、ゴダルゼス二世の子をもって絶える」という迷信を信じた。
・対策の一つは、子供にオスロエスとアンドラゴラスと名付けること。過去、この名前で王家が継承されてきたため。
・もう一つは、新たな予言。
 オスロエスの妻が、ゴダルゼス二世の子供を産めば、パルス王家は続くかもしれない」
 つまり自分の息子オスロエスの妻を横取りすることになる。おぞましい。
・サームはアルスラーンの正体についても訪ねたが、語る前に面会時間終了。
・サームは「いずれアンドラゴラスを助ける」と約束して去ろうとするが。
 アンドラゴラスは「このことが本当なのか、嘘なのか、自分も誰かに騙されてるのかわからない」と語った。
 つまり、さっき話したのは嘘かもしれない、と。一筋縄ではいかないアンドラゴラス。
・謎は深まり、サームの悩みは更に深く。
 
・ヒルメス、騎兵約一万、歩兵約二万五千で出兵!
・道程で、サームはマルズバーンのクバードと再会。アトロパテネ以来。
 「嫌になったら去ってよい」条件付きでヒルメス陣営に一時加入
 
ヒルメスとボダンの戦い、開始。
 ヒルメスはイアルダボード教の神旗に似た旗を焼いて挑発。堅牢な地形と城に守られた聖堂騎士団を怒らせて誘い出すことに成功。
・聖堂騎士団は重装騎兵。馬まで鎧をつけていて、矢が効かないが、右翼を率いたヒルメス・中央のクバードで反撃、最後はサームの号令で一斉攻撃。
 ボダンは二千の犠牲を出して城に閉じこもる。
 ヒルメスは包囲を続ける。
 
・戦いの後。
 クバードはヒルメスと決裂。
 仮面をつけてる理由を嫌がらせで聞いたクバード。王族とか尊大な態度が大嫌いなクバードは、ヒルメスに喧嘩を売る。
 ザンデとヒルメスがぶちギレ。
 サームがいなかったら殺し合いになってた。

・クバード、また旅へ。
 アルスラーンの元に行くわけでもなく、あてどない旅へ。
 まだ彼の出番ではない。
 
・アルスラーン、ペシャワール城にて、ルシタニア追討令と奴隷制度廃止令(アルスラーンが国王になった場合に奴隷解放と人身売買制度を廃止)を宣言。
 今後、幾多の困難を乗り越え、「解放王」アルスラーンとなれるかどうか?
 
ここで次巻へ。
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