※ネタバレ注意!
本格的テニス漫画「ベイビーステップ」20巻の感想です。
2015年アニメ第2期はここまでくるかな?
目次
本はこちら
左が単行本、右がKindle版。
表紙、右手前は主人公のエーちゃん(丸尾栄一郎)。左奥は池くん(池爽児)。
今回は二人の勝負シーンあり!
前巻のあらすじ
19巻は関東ジュニア大会準決勝。
・準決勝 対難波江くん(難波江優) 第1セット終盤から決着まで。
・難波江くんがここまで「感情を自己管理」「感情を抑える」テニスが出来る理由が明らかに。
・一方「感情をコントロールする」テニスのエーちゃん、今のままでは「勝つビジョン」が見つからない・・と、リスクをあげて新たなチャレンジ!
・前回対戦よりも成長した姿を見せたが、トータル6-4, 2-6, 5-7で難波江くん勝利。
エーちゃん、関東ジュニアはベスト4で終わりました。
詳しい感想はこちら。
20巻の概要
今巻から全日本ジュニア編スタート!
20巻は試合と試合のインターバルで、エーちゃんの新トレーニングと新ライバル紹介。
・個人的にピックアップしたいトレーニングは座禅。なぜスポーツ選手は座禅・瞑想・荒行するのか、理由が描かれています。
・日本スポーツ界の闇、青少年への「スパルタ」「超体育系」「根性論」部活についても取り上げてます。
・新キャラで紹介シーンが描かれたのは、ジュニアランキング2位の神田くん、かつてのナンバー1緒方くん。
・なっちゃん(高崎奈津)との初デートはプールで水着!
エーちゃんは頑張ってデートプランを3つ練り、長文メール送るも、なっちゃんは「夏はやっぱプールでしょ!」の一行で返信(´;∀;`)
恥じらいなく水着姿を見せられてもじもじエーちゃん。
最後に「私 手つなぐの好きみたい」と手を握るOK宣言をもらったエーちゃん、プライベートは充実!
巻末マンガでは、そんな二人の目撃者がいたようで・・。
・番外編マンガは、エーちゃんとなっちゃんが付き合った翌日の女子風呂。
対戦相手の中城めぐみ、なっちゃんのオノロケ恋愛トークと、エーちゃんと諭吉くんを勘違いしたことで精神的ショックをうける…。
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20巻の感想
全日本ジュニアに向けたトレーニング
関東ジュニアの反省から、エーちゃんが取り組んだのは3つ。
・根本的なストローク強化のために下半身強化
・チェンジオブペースのパターン増加
・ゾーン(理想的精神状態)の調査
1つめ、19巻でメーカーから提供されたラケットの感触を確かめつつ、ストローク強化のためにスイングを大きくしたエーちゃん。
しかし青井コーチから、速く打つ分コントロールが難しくなるんだからフォームはコンパクトにしろ、との指示が。
ストロークは腰の回転運動で打つ、とのこと。
腰、つまり身体の中心にあるインナーマッスルとかコアマッスルとか体幹と呼ばれる筋肉を鍛える必要がある模様。
基礎があるエーちゃんなら、3週間でも効果があるらしい。
このマンガは一貫して、効率的で必要な箇所の筋肉を鍛えようとするシーンを描いてますね。
全日本選手権・ワイルドスーパージュニア
青井コーチより、全日本ジュニアから先の大会の話が。
全日本ジュニアの優勝者には、全日本選手権の出場資格があるとのこと。
優勝者は本選から、準優勝者は予選からワイルドカードで出場可能。
全日本選手権にはタクマ先輩も出場。
さらに全日本ジュニアの優勝者は、ワールドスーパージュニアにもワイルドカードで出場可能。
これはジュニアの国際大会で最高グレードの大会。
マンガではフロリダのIMGメンバーとクリシュナが描かれています。
なお最新巻では全日本選手権編に突入中。
ワールドスーパージュニア編が描かれることがあるのか?
ゾーンの練習は座禅!?
ある日、青井コーチがゾーンの練習に連れて行ってくれた!
場所はお寺。
昔、青井コーチがお世話になったこの場所で、座禅の修行をスタート!
マンガによると、座禅は集中力を磨くトレーニングです。
集中力を必要とするスポーツ選手がたくさん取り組んでいるとか。
やたらアスリートがお寺で座禅だの荒業だのをするのは、結局トレーニングなんですね。
以下、住職の話をまとめます。
・座禅はお釈迦様が到達した「悟りの境地」に到達するための修行の一つ。
・「悟り」とは人が本来持っている清らかな心、つまりは本当の自分自信を見つけ出すこと。
・清らかな心とは雑念のない心、それを取り戻すには、何事にも「三昧の力」で取り組めるようでなければいけない。
・「三昧の力」とは、目の前のことだけに没頭できる力、つまり集中力のこと(例:テニス三昧)。
・この「三昧の心」がスポーツのあらゆる状況で力を発揮する模様。
マンガで描かれた座禅の方法をざっとまとめると以下の通り(私が以前高野山で体験した阿字観とほぼ同じ。)
足を組んで、肩の力を抜いて、口は自然と閉じて、半眼、鼻で息、視線は1メートル半前を自然と見る感じ、心の中で息を数える。
間違えたらやり直し、雑念を交えない。
さっそく座禅がスタート。
雑念が多く、セミがうるさく、自分に厳しいエーちゃんは10にすら到達しない。
一方諭吉くん、早くも悟りきった表情で全く動じていない!やるな!
…単に寝てただけでした( ;´Д`)
ここで住職からアドバイス。
住職
息だけを数えられているということは
意識を連続できている
つまり集中できているということですこの集中が連続すると
それほど強く意識せずとも
息を数えられるようになりますこういう無意識的に自分のしようとしていることが「三昧の力」でできてる状態こそ
スポーツでいう「理想的な状態(ゾーン)」なのではないでしょうか?
意識的に無意識になる・・というくだり、過去に自分で思いついていたことから、ピンときたエーちゃん。
意識の連続が集中、集中の連続がゾーン。
試合中にいろいろ試すも、偶然にしか突入できなかったゾーン。
ようやく理論的に突入するための手がかりがえられました。
インターハイ偵察
全日本ジュニアまで一週間。
エーちゃんは全日本ジュニアのライバルが多数出場している全国大会 高校総体(インターハイ)を視察に青森県へ。
今後絡んでくる新キャラまたはバックボーンが語られたのは、神田くんと緒方くん。
生意気だがランキング2位の神田くん
井出くん、岡田くんらと共に、顔だけは何度が出てきた神田くん(神田久志)。
・全日本ジュニアランキング2位。
・柳瀬高校から「監獄」と呼ばれる超体育会系の鹿梅工業へ転校したことで更に実力アップ(後述)。
・ランキング1位の難波江くんも認める実力者。
・すごく速くて自然で的確なフットワーク。
・ベースラインで急に落ちる超高速スピンをライジングで決めるテクニック(のちにエッグボールと呼ばれます)
・そしてクソ度胸。
・性格は生意気。
・エーちゃんより一学年下なのにタメ口。
・他の選手にも敬語を使ってはいるがナメてたり「誰でもいいスけど決勝で会いましょうネ」と強気・上から目線。
・試合前日に「集中したいから」と自由行動したが、実はデートだった。見つかって大会中なのに丸坊主に。
最新刊でも頻繁に登場。
いい子&彼女がいるエーちゃんと全く気が合わないのに何かと絡んできて、めんどくさいキャラになってます・・。
怪我から復活、池くん以前のナンバー1だった緒方くん
初登場。
詳しくは今後語られますので、ここでは顔見せ程度。
・近清高校所属。
・池くんが出てくる前のナンバー1。
・小学生のときに膝を怪我して三年間リハビリ。
・それを乗り越え、ここ1年でようやく全国レベルまで復活。
・怪我後は前より思い切ったプレーをするようになったが、長いブランクが不安点。
インターハイの結果と関東ジュニア決勝の難波江くん
団体戦決勝。
神田くん、緒方くんは勝利。
鹿梅工業がダブルスを制して2-1で優勝。
難波江くんもインターハイ個人戦に出場。
ここで関東ジュニアの決勝に負けた点が描かれます。
難波江くんは、荒谷くんの土俵であるパワー勝負にあえて挑んで負けた模様。
試合には負けたが、パワー面でも引けを足らなかった。
インターハイ個人戦でも、相手の得意なストローク勝負にあえて挑んでいる。
関東ジュニア準決勝でエーちゃんに敗れた後、オールAを目指すために次のステップに進んだ模様。
青少年へのスパルタ式・体育会系指導の功罪
※個人の主観がかなり入ってます。
まずは神田くんの話から。
団体戦シングルスの相手、住吉薫くん(兄が6,7巻で登場)を一蹴。
スパルタ指導で有名な鹿梅。
練習は走ってばかり、先輩や監督に逆らうと容赦なく罰走、練習参加を認められないことも。
「軍隊式」「上には絶対服従」「根性と気合い」という、一昔前、昭和の、時代遅れな部活動の姿ですね。
生意気な神田くんは当然、
神田くん
クソ…ッ クソ クソ クソ クソ クソッ…
いつか全員ぶっ殺してやる…‼︎
泣きながら呟く姿が描かれました( ;´Д`)
しかし、荒谷くんに言わせると、神田くんには効果的だったようで。
単に足腰が強化されただけでなく、度胸がついたこと、仲間ができたことが大きかったようです。
スマッシュを100本全て全力で決めないと一からやり直し、という「鹿梅伝統100本スマッシュ」シーンでは。
監督
いいか覚えとけ
スマッシュは技術じゃねえ
気合だ
その上、試合ではありえない高さのロブを上げられる・・。
神田くんは100本目にミス、また一からに。
絶句、絶望的な表情をみて満足そうな監督。
そんな練習をくぐり抜けた結果。
心が折られに折られて・・ついにこれ以上折られようがない不屈の精神力(メンタル)まで到達。
唯一の弱点がなくなり、試合のプレッシャーなどまるで気にせずスマッシュを叩き込めるように。
対戦相手の住吉薫くん(兄が6,7巻で登場)を一蹴!
そして仲間の存在。
荒谷くん
人は普通そんな地獄みたいな環境じゃ やる気モチベーション保てないだろ?
でも同じ境遇の奴らとギリギリ支えあってなんとかやってんだよ練習でも試合でもどうしたって苦しい時はある
俺も部活やってるからわかるんだけど
そんな時自分と同じ気持ちで応援してくれる仲間がいるのは本当に心強いもんなんだあいつの強さは最後の最後に「おれは鹿梅の仲間を背負ってるんだ」って踏ん張れるとこにある気がするね
同じ釜の飯を食った仲間と、地獄をくぐりぬけ、仲間を代表して試合に臨む。
インターハイは応援団が陣取って声出ししてるので、井出くんが応援されると強くなったように、神田くんは試合中にどんどん力が出てきます。
さて。
ここまで書くと、アスリートは全員スパルタ式で鍛えればよいとか、最近の若者は根性がないとか、昔はよかったとか、特に大人〜年配者から言われそうですが。
私は否定的です。
成功したごくわずかの強者以外は不幸になるからです。
神田くんの影には、試合に出れなかったり、途中で脱落した青少年が数十人〜数百人もいます。
彼らは幸せでしょうか?
地獄のような日々を勝ち抜けなかった脱落者は、その後幸せな人生を過ごせるのでしょうか?
怪我や心の傷が、その後の人生に悪影響を与えないでしょうか?
論理的な解決方法を教えてもらえず「気合だ!」的な精神論しか教わらない青少年に、その先はあるのでしょうか?
本当に科学的・効率的なトレーニングで鍛えられた海外勢にかなうのでしょうか?竹槍で戦車につっこむだけでは?
ベイビーステップは、エーちゃんが所属するSTCや青井コーチのように「科学的トレーニング」「選手が楽しむことが結果につながる」「スパルタ方式とは真逆」のスタイルで描かれています。
実際、作中でも、スパルタ式の効果は認めつつも批判的なスタイル。
何が正解かは、その時代によりけりでしょう。
テニスに限らず、そのスポーツ黎明期ならば、知識も経験も設備も不十分なので、「とにかく気持ちで負けるな!」のスパルタ式の根性論でやるしかないかもしれません。試合ではビビったらいつもの力が出ませんからね。
しかしスポーツ成熟期なら、知識も経験も設備も整っているので、より効率の良い方法を試すのは当然です。意味のないトレーニングは時間と体力の無駄使いですから。
だから、今の時代は、スパルタ式でない、多くの人が幸せになれるような現代的トレーニングを青少年に指導してあげたいです。
と、学生時代にスパルタ式部活で苦しんだ挙句に腰を壊し、その後10年間腰痛に苦しんだ私は思います。
プロ以外にもテニスに関わる将来はある
全日本ジュニアが近づくも、エーちゃんは調子が上がらない。
「優勝できなければプロを諦める」宣言がエーちゃんにプレッシャーを与え続けている模様。
のほほん青井コーチは「最悪そんな約束破っちゃえば?」「誰もが納得するなら優勝しなくてもプロになれば?」といったアドバイスを送る。
テニスが好きなら「負けたら終わり」ではなく「その先にもまだいろんな道がある」くらいの気持ちで・・と語る。
そこで「全日本ジュニアで優勝してプロになる」以外のテニス関係の将来を洗い出してみたエーちゃん。
・受験か推薦経由で大学→メーカー
・テニスイベント会社に就職
・マスコミに就職
・コーチ
・審判
・強豪大学→実業団
プロ以外にもいろんな職業がある・・ひとまず心の準備ができたエーちゃんでした。
池くんvsエーちゃん!?
ある日。
池くんが来日、STCへ。
取材でジュニア選手との絵を撮りたい、ということでエーちゃんと勝負!
池くんのスポンサーがきて、映像を撮ってくれるなら、エーちゃんにとっても将来へのアピールチャンス!
池くんのようにスポンサーがついて未来が開けるかも?
・・ということだが、池くんが強すぎる。全く手を緩めない負けず嫌い( ;´Д`)
それでもエーちゃんは1ゲームキープに成功!
そして池くんのようなプロになりたいと決意新たに。
池くんサポートチーム、エーちゃんへの評価は上々。
しかし誰もが納得できるレベルの結果がほしい…とのこと。
なお池くんは1ゲームキープされたことをさっそく根に持って、エーちゃんとなっちゃんの仲をからかい始める…
次巻から全日本ジュニア編スタート!
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